CounterPoint SA−4. 3台目修理記録
同時修理Conrad Johnson MV−125SA−4. 4台目        2021/7/25持込   2022/1/30完成
A. 修理前の状況
  • 音はちゃんと出てますが一台のバイアス調整ツマミがバカになってて調整出来ません。
    入力とスピーカー端子をWBT製品の物に替えて欲しい。
    後は全体調整とクリーニングです。
    真空管の端子等ガタ来てたら交換して下さい。
  • 帰って来てSA-4のスイッチ入れたら、カチッと言う音して左チャンネルから音が出なくなりました。
    見るとバイアスメーターが振り切っていました。
    直ぐにスイッチ切ってスピーカーコード外して再度スイッチ入れましたがバイアスメーターは振り切れたままでした。
    なるべく早く診て欲しいです。
  • 出力真空管「6LF6」をYahooオークションで11本購入、e−Bayで20本購入しました。
  • 使用SPはインピーダンス4ΩのMARTIN LOGAN Odysseyです。

B. 原因

C. 修理状況

U. TubeTester HickokTV−2B/Uによる付属・予備真空管測定..別ファイルが開きます。
D. 使用部品
  • フイルムコンデンサ−               31個。
    電解コンデンサ−                 32個。
    タイト製金メッキMT7ピンソケット        2個。
    タイト製金メッキMT9ピンソケット        1個。
    タイト製銀メッキ・コンパクトロン12ピンソケット  8個。
    タイト製6LF6プレートキャップ           8個。
    半固定VR                      4個。
    抵抗                         27個。
    RCA端子 WBT−0201       1組(定価で工賃込み)。
    SP接続端子 WBT−0735    1組(定価で工賃込み)。
    44ピン・カードエッジコネクター       2個(同等品が無で加工が必要)。
    OP-AMPソケッ+ICソケット          5個。
    ダイオード                   12本。
    リレー                     1個。
    TR(トランジスター)             1個。
    ゼナーダイオード               12個。
    電源定電圧TR(トランジスター)       2個。


E. 調整・測定

G. 修理費  230,000円  
  「オーバーホール修理」
                       「但し、真空管は別途」

S. CounterPoint SA−4 の仕様(カタログ・マニアルより)

Y. ユーザー宅の設置状況

A. 修理前の状況。画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
A11. 点検中 前から見る
A12. 点検中 前右から見る
A13. 点検中 後から見る。 使用電圧表示無。
A14. 点検中 電源電圧確認。 左=電源電圧100V入力。 右=ヒーター電圧6.3V。
A15. 点検中 後から見る。SP接続端子。
A16. 点検中 後から見る。3Pインレット。
A17. 点検中 後から見る。入力RCA端子。
A18. 点検中 後左から見る
A19. 点検中 上から見る
A21. 点検中 下前から見る
A22. 点検中 下前左から見る
A23. 点検中 下後から見る
A24. 点検中 下後右から見る
A25. 点検中 下から見る。
A26. 点検中 下から見る。6LF6真空管ソケットの端子銅箔はく離が見える。
A31. 点検中 上蓋を取り、上から見る。
A61. 点検中 排気フアンを上部設置する場合。
  • 1.終段6LF6の真上が良い。
    2.風向きは、吸い出しとする、よってAMPの上方向は15cm以上空ける。
    3.上蓋がアルミ製で薄く弱いので、L字棒で裏から補強する。
    4.フアンの左側、フアンの手前のガラリは、前の2〜4列ぐらいを残して、塞ぎます。
    5.AMPの後ガラリは、下の1〜2列ぐらいを残して、塞ぎます。
    6.温度制御をする場合、サーミスターは終段6LF6の近くに設置する。
    7.使用するフアンは12〜14Cmで厚み35mmで低速が良い、写真は12Cmで厚み25mm。
    8.安全の為、フアンガードは取り付ける事。

A63. 点検中 推薦する排気フアン設置。上から見る。
A65. 点検中 120mm×120mm排気フアンの比較。やはり真ん中の35mm厚が1番良い。
A71. 点検中 推薦する排気フアン設置2。上から見る。
A72. 点検中 排気フアン比較。
C. 修理状況。画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
C1. 修理中 基板を取り外したシャシ。
C11. 修理前 終段6LF6基板。ソケットは交換されている。後期型と異なり、スルホール基板で無。
C112. 修理中 12終段6LF6基板。14ピンICソケット交換。
C113. 修理中 終段6LF6基板。エッジコネクター2個交換。同型が市場になく加工が必要。
C114. 修理中 終段6LF6基板。 終段6LF6基板。 12ピンソケット比較。
C115. 修理中 終段6LF6基板。 洗浄後、真空管ソケット・部品を取付け中。
                       真空管ソケットの固定(半田付け)は、ジャンク真空管をしっかり挿入して行う。
C12. 修理後 終段6LF6基板。 フイルムコンデンサー5個、タイト製コンパクトロン12ピンソケット8個、抵抗24個、リレー1個、OP-AMPソケット1個、カードエッジコネクター2個交換。
  • 真空管の熱の発散は次の3通り。
    • 1.プレート等からの「熱放射(輻射)」....シールドは黒く塗る。
    • 2.管壁・ソケットからの「対流熱伝達」...ソケットの周りに通気口を開ける等。
    • 3.真空管足からの「熱伝導」 ........ソケットに熱伝導良い物を使う。
        熱伝導はベークライト製=0.23w/m・k <テフロン製=0.25w/m・k <ステアタイト製=2.5w/m・k の順です。
C13. 完成終段6LF6基板。  洗浄後、コートを塗布。
C14. 修理前 終段6LF6基板裏。
C142. 修理中 終段6LF6基板裏。前回の6LF6ソケット交換時、足ピンの銅箔はく離多数。
C143. 修理中 終段6LF6基板裏。前回の6LF6ソケット交換時、足ピンの銅箔はく離多数2。
C144. 修理中 終段6LF6基板裏。コネクターへの配線の緑青。
C1442. 修理中 終段6LF6基板裏。コネクターへの配線の緑青拡大。
C1443. 修理中 終段6LF6基板裏。コネクターへの配線の緑青拡大、反対側。
C146. 修理中 終段6LF6基板裏。渡り配線の緑青。
C147. 修理中 終段6LF6基板裏。渡り配線の緑青2。
C148. 修理中 終段6LF6基板裏。渡り配線の緑青3。
C15. 修理(半田補正)後 終段6LF6基板裏。6LF6ソケット足ピンの銅箔はく離を修理する。
C16. 完成終段6LF6基板裏。  洗浄後、コートを塗布。
C17. 修理中 終段6LF6基板。6LF6のプレートキャップ。上=熱で変色している付いている物、下=交換する物。
C18. 修理中 終段6LF6基板。6LF6プレートキャップはジャンク真空管(空気管)で慣らす。
C19. 修理(交換)後 終段6LF6基板。 6LF6のプレートキャップをステヤタイト製に交換。
C1A. 修理中 基板の修理には半田吸取器も吸取り穴径の異なるのが必要、左=1mm、右=1.6mm。
C21. 修理前 入力・ドライブ基板。後期型と異なり、スルホール基板で無。
C212. 修理中 入力・ドライブ基板。緑青が発生している半固定VR。
C213. 修理中 入力・ドライブ基板。緑青が発生している半固定VR。
C214. 修理中 入力・ドライブ基板。MT9ピン真空管ソケット、OP−AMPソケット交換。
C215. 修理中 入力・ドライブ基板。MT7ピン真空管ソケット交換。
C23. 修理中 入力・ドライブ基板。 真空管ソケット・部品を取付け中。
                       真空管ソケットの固定(半田付け)は、ジャンク真空管をしっかり挿入して行う。
C24. 修理後 入力・ドライブ基板。 OP−AMPソケット1個、タイト製金メッキ・MT7ピンソケット2個、タイト製金メッキ・MT9ピンソケット1個、電解コンデンサー7個、フイルムコンデンサー8個、抵抗3個、半固定VR3個、OP-AMP1個、TR(トランジスター)1個、ダイオード2個、ゼナーダイオード9個交換。
C25. 完成入力・ドライブ基板。  洗浄後、コートを塗布、OP−AMP1個交換。
C26. 修理前 入力・ドライブ基板裏。後付け部品多数。
C262. 修理中 入力・ドライブ基板裏。基板端子に緑青が発生している。
C263. 修理中 入力・ドライブ基板裏。基本の6FS5のヒーター配線も基板裏配線。
C264. 修理中 入力・ドライブ基板裏。OP−AMP下の配線に緑青が発生している。
C28. 修理(半田補正)後 入力・ドライブ基板裏。
C29. 完成入力・ドライブ基板裏  洗浄後、コートを塗布。
C31. 修理前 電源基板。後期型と異なり、スルホール基板で無。
C312. 修理前 電源基板。基板取り付け穴はゲベガボ。
C34. 修理後 電源基板。OP−AMP1個、定電圧IC2個、ソケット3個、電解コンデンサー18個、半固定VR1個、整流ダイオード10個交換。
C35. 完成電源基板。  洗浄後、コートを塗布。OP−AMP1個、定電圧IC2個交換。
C36. 完成電源基板。 さらに定電圧出力TR(トランジスター)2個交換。
C37. 修理前 電源基板裏。後付け部品多数。 表に移動できる部品は移動する。
C38. 修理(半田補正)後 電源基板裏。フイルムコンデンサー7個追加。
C39. 完成電源基板裏。  洗浄後、コートを塗布。
C41. 修理前 入力RCA端子。
C42. 修理(交換)後 入力RCA端子。WBT−0201使用。
C51. 修理前 SP接続端子。
C52.修理(交換)後 SP接続端子。WBT−0735使用。
C61.修理前 電源ブロック電解コンデンサー。
C62.修理後 電源ブロック電解コンデンサー。 フイルムコンデンサー3個追加。
C91.4台目も含む交換部品。 終段6LF6 12ピンソケット、SP接続端子他。12ピンソケットが少ないのはユーザーが6LF6の足補正に使用する為。
C92.4台目も含む交換部品2。
C93.4台目も含む交換部品、ブロック電解コンデンサー。
C94.4台目も含む交換部品、OP−AMP、TR(トランジスター)、定電圧IC、ダイオード、ゼナーダイオード、配線。
CA1. 修理前 上から見る
CA2. 修理後 上から見る
CA3. さらに修理後 定電圧出力TR(トランジスター)の交換後上から見る。
CA4. 修理後 上から見る。基板止めビスにワッシャーを入れる。
E. 調整・測定。画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
E0. 出力・歪み率測定・調整。
    「見方」。
   上段中 右側SP出力を「Audio Analyzer Panasonic VP−7723B」により測定。
         表示LED、 左端=メモリーNo、 中左=周波数測定、 中右=出力電圧測定、 右端=歪み率測定。
   上段右端 VP−7723Bの基本波除去出力を「owon SDS8202(200MHZ)」で「FFT分析」表示。
   下段中 左側SP出力を「Audio Analyzer Panasonic VP−7723B」により測定。
         表示LED、 左端=メモリーNo、 中左=周波数測定、 中右=出力電圧測定、 右端=歪み率測定。
   下段右端 VP−7723Bの基本波除去出力を「owon SDS6062(200MHZ)」で「FFT分析」表示。
   下段左端 オーディオ発振器 VP−7201A より50Hz〜100kHzの信号を出し(歪み率=約0.003%)、ATT+分配器を通し、AMPに入力。
          よって、ダイアル設定出力レベルより低くなります。測定機器の仕様や整備の様子はこちら、「VP−7723B」「VP−7201A」。 FFT画面の見方はこちら。
測定条件。
使用終段「6LF6」バイアス電流値。
6LF6−1本目=65mA
6LF6−2本目=65mA
6LF6−3本目=50mA
6LF6−4本目=50mA
6LF6−5本目=70mA
6LF6−6本目=50mA
6LF6−7本目=65mA
6LF6−8本目=50mA
E1. 50Hz入力、SP出力電圧30V=112.5W出力、 0.405%歪み。
             「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=250Hz、右=1kHz。
E2. 100Hz入力、SP出力電圧30V=112.5W出力、 0.343%歪み。
              「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=250Hz、右=1kHz。
E3. 500Hz入力、SP出力電圧30V=112.5W出力、 0.292歪み。
              「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E4. 1kHz入力、SP出力電圧30V=112.5W出力、 0.445%歪み。
             「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E5. 5kHz入力、SP出力電圧30V=112.5W出力、 0.491%歪み。
             「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=25kHz、右=100kHz。
E6. 10kHz入力、SP出力電圧30V=112.5W出力、 0.613%歪み。
              「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=25kHz、右=100kHz。
E7. 50kHz入力、SP出力電圧28V=98W出力、 1.86%歪み。
              「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=125kHz、右=500kHz。
E8. 出力真空管「6LF6」の真上で、24V高速フアンが全回転で吸出クーリング。
E9. 完成  24時間エージング、 左は SA−4. 4台目
Y. ユーザー宅への設置状況。画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
Y1. 全体。
Y2. 右側SA−4. 4台目
Y2. 左側SA−4. 3台目
S. CounterPoint SA−4 の仕様(マニアル・カタログより) 
型式 管球式モノラルパワーアンプ SA−4
出力 140W(8Ω)
280W(16Ω)
周波数帯域幅 0.1Hz〜50kHz
歪率 0.1%以下(最大出力時)
0.02%(20W出力時)
使用真空管 ECC83
6LF6 x8
6FS5 x2
電源電圧 AC100V、50Hz/60Hz
消費電力 200W(通常使用時)、700W(実行出力時)
外形寸法 幅480x高さ170x奥行480mm
重量 26kg
その他 ブループリント基盤..後期型
グレイ基盤..前期型。
価格 ¥1,000,000(1台、1984年発売)
¥900,000(1台、年代不明)
                    sa4_322
ここに掲載された写真は、修理依頼者の機器を撮影した者です、その肖像権・版権・著作権等は、放棄しておりません。  写真・記事を無断で商用利用・転載等することを、禁じます。
   Copyright(C) 2022 Amp Repair Studio All right reserved.