Accuphase P−300S 修理記録
同時修理 C−200S  2017/9/26日持込   2018/2/1完成
A. 修理前の状況
  • 35年ほど前に、全財産をはたいて購入した「C−200S+P300S」です。
    数年前に片チャンネルから音が出なくなり、それ以来聴いていません。
    オーディオにやや詳しい方に何とか音が出るようにしてもらいましたが、 ノイズは消えないとのことでした。
    アルテックの612Cモニターで鳴らす勇気が湧かず、替わりに真空管の「300B 4本」のアンプでCDやレコードを
    聴いていましたが、今年3月の退職を機にどうしても アキュフェーズのアンプでアルテックの604−8Gのユニットの612Cモニタースピーカーを鳴らしたいと決断し修理依頼です。
  • 終段TR(トランジスター)の相違は、数年してメーカーが自宅に修理に来た時、交換したと、思います。
    左右で音質が異なる気配は感じていました?

T. 修理前点検測定
  • 各部経年劣化。
    終段TR(トランジスター)が左右で相違。
B. 原因
  • オーバホール修理

C. 修理状況
D. 使用部品
  • 左右終段TR(トランジスター)                 2種12個(2種40個購入して選別使用)。
    バイアス/バランス半固定VR                 8個。
    電解コンデンサー                        24個 。
    フイルムコンデンサー                      10個。
    照明ランプ                             4個。
    3Pインレット       FURUTECH製FURUTECH FI-10(R) ロジウムメッキ。
    テフロン絶縁RCA端子                   1組2個。

E. 調整・測定

G. 修理費     190,000円   オーバーホール修理

S. P−300S の仕様(カタログ・マニアルより)

A. 修理前の状況。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
A11. 点検中 前から見る
A12. 点検中 前から見る、操作パネル開ける。
A13. 点検中 前右から見る
A14. 点検中 後から見る
A15. 点検中 後左から見る
A16. 点検中 上から見る
       写真 紛失
A17. 上蓋・シールドを外し、上から見る。
A18. 点検中 上蓋・シールドを外し、上から見る。
A21. 点検中 下前から見る
A22. 点検中 下前左から見る
A23. 点検中 下後から見る
A24. 点検中 下後右から見る
A25. 点検中 下から見る
       写真 紛失
A26. 点検中 下蓋を取り、下から見る
A31. 点検中 電源インレット。
A32. 点検中 電源インレット。 3Pインレットに交換。
                      FURUTECH製FURUTECH FI-10(R) ロジウムメッキ。
A41. 点検中 SP接続端子
A51. 点検中 入力RCA端子郡
A52. 点検中 入出力RCA端子郡。 テフロン絶縁RCA端子に交換。 WBT−0201は定価で工賃込み。
A61. 点検中 R側終段TR(トランジスター)。 2SD425/2SB555の3パラレル接続。左右で異なる!
A62. 点検中 L側終段TR(トランジスター) 2SC1079/2SA679の3パラレル接続。左右で異なる!
T. 修理前点検測定。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
T1. 出力・歪み率測定・調整。
    「見方」。
   上段中 右側SP出力を「Audio Analyzer Panasonic VP−7723B」により測定。
         表示LED、 左端=メモリーNo、 中左=周波数測定、 中右=出力電圧測定、 右端=歪み率測定。
   上段右端 VP−7723Bの基本波除去出力を「owon SDS8202(200MHZ)」で「FFT分析」表示。
   下段中 左側SP出力を「Audio Analyzer Panasonic VP−7723B」により測定。
         表示LED、 左端=メモリーNo、 中左=周波数測定、 中右=出力電圧測定、 右端=歪み率測定。
   下段右端 VP−7723Bの基本波除去出力を「owon SDS6062(200MHZ)」で「FFT分析」表示。
   下段左端 オーディオ発振器 VP−7201A より50Hz〜100kHzの信号を出し(歪み率=約0.003%)、ATT+分配器を通し、AMPに入力。
          よって、ダイアル設定出力レベルより低くなります。測定機器の仕様や整備の様子はこちら、「VP−7723B」「VP−7201A」。 FFT画面の見方はこちら。
T2. 1kHz入力、R側SP出力電圧34V=144W出力、 0.800%歪み。
             L側SP出力電圧33V=136W出力、 0.810%歪み。
             「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
T2. 10kHz入力、R側SP出力電圧33V=136W出力、 0.207%歪み。
              L側SP出力電圧33V=136W出力、 0.262%歪み。
             「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=25kHz、右=100kHz。
C. 修理状況。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
C1. 修理中 上蓋・シールド・基板を外し、清掃中。右半分が清掃済み。
C10. 修理中 購入2SC**TR(トランジスター)の測定。 hfe=41〜48の6個を使用。実際は、2種40個購入して選別使用。
C10. 修理中 購入2SA**TR(トランジスター)の測定。 hfe=79〜81の6個を使用。実際は、2種40個購入して選別使用。
C11. 修理前 R側終段TR(トランジスター)。 2SD425/2SB555の3パラレル接続。左右で異なる!
C12. 修理(交換)後 R側終段TR(トランジスター)。
C13. 修理前 L側終段TR(トランジスター) 2SC1079/2SA679の3パラレル接続。左右で異なる!
C14. 修理(交換)後 L側終段TR(トランジスター)
C21. 修理前 R側終段基板裏。
C22. 修理(半田補正)後 R側終段基板裏。 半田を全部やり直す
C23. 完成R側終段基板裏。 洗浄後防湿材を塗る。
C24. 修理前 L側終段基板裏。
C25. 修理(半田補正)後 L側終段基板裏。 半田を全部やり直す。
C26. 完成L側終段基板裏。 洗浄後防湿材を塗る。
C31. 修理前 R側メインアンプ基板
C32. 修理後 R側メインアンプ基板。 フイルムコンデンサー4個、電解コンデンサー4個、半固定VR3個交換。
C33. 修理前 R側メインアンプ基板裏
C332. 修理前 R側メインアンプ基板裏、 半田不良予備郡。
C333. 修理前 R側メインアンプ基板裏、 半田不良予備郡2。
C334. 修理前 R側メインアンプ基板裏、 半田不良予備郡3。
C335. 修理前 R側メインアンプ基板裏、 半田不良予備郡4。
C34. 修理(半田補正)後 R側メインアンプ基板裏。 半田を全部やり直す。
C35. 完成R側メインアンプ基板裏。 洗浄後防湿材を塗る。
C41. 修理前 L側メインアンプ基板
C42. 修理後 L側メインアンプ基板。  フイルムコンデンサー4個、電解コンデンサー4個、半固定VR3個交換。
C43. 修理前 L側メインアンプ基板裏
C432. 修理前 L側メインアンプ基板裏、 半田不良予備郡。
C433. 修理前 L側メインアンプ基板裏、 半田不良予備郡2。
C44. 修理(半田補正)後 L側メインアンプ基板裏。 半田を全部やり直す。
C45. 完成L側メインアンプ基板裏。 洗浄後防湿材を塗る。
C51. 修理前 プロテクト基板
C52. 修理後 プロテクト基板。 電解コンデンサー9個交換。
C53. 修理前 プロテクト基板裏
C532. 修理前 プロテクト基板裏 半田不良ケ所予備郡。
C533. 修理前 プロテクト基板裏 半田不良ケ所予備郡2。
C534. 修理前 プロテクト基板裏 半田不良ケ所予備郡2。
C54. 修理(半田補正)後 プロテクト基板裏。 半田を全部やり直す。
C55. 完成プロテクト基板裏。 洗浄後防湿材を塗る。 
C61. 修理前 定電圧基板
C62. 修理後 定電圧基板。 電解コンデンサー7個交換。
C63. 修理前 定電圧基板裏
C632. 修理前 定電圧基板裏、 半田不良予備郡。
C633. 修理前 定電圧基板裏、 半田不良予備郡2。
C634. 修理前 定電圧基板裏、 半田不良予備郡3。
C635. 修理前 定電圧基板裏、 半田不良予備郡4。
C64. 修理(半田補正)後 定電圧基板裏。 半田を全部やり直す。
C65. 完成定電圧基板裏。 洗浄後防湿材を塗る。
C71. 修理前 電源インレット。
C72. 修理(交換)後 電源インレット、3Pインレット取り付け。  FURUTECH製FURUTECH FI-10(R) ロジウムメッキ
C73. 修理後 3Pインレット裏の配線。
C81. 修理前 入力RCA端子。
C82. 修理(交換)後 入力RCA端子。 テフロン絶縁型と交換。
C91. 修理前 VUメータレベル切換SW基板
C92. 修理後 VUメータレベル切換SW基板。 半固定VR2個、電解コンデンサー2個交換。
C93. 修理前 VUメータレベル切換SW基板裏
C94. 修理(半田補正)後 VUメータレベル切換SW基板裏。 半田を全部やり直す。
C95. 完成VUメータレベル切換SW基板裏。 洗浄後防湿材を塗る。
CA1. 修理前 電源ブロック電解コンデンサー回り。
CA2. 修理後 電源ブロック電解コンデンサー回り。 フイルムコンデンサー2個追加。
CB1. 修理中 SP接続リレー点検・清掃。
CB2. 修理中 電源突入電流抑止リレー点検・清掃。
CC1. 修理中 前パネル清掃
CD1. 交換した部品
CE1. 修理前 上から見る
CE2. 修理後 上から見る
CE3. 修理前 下から見る
CE4. 修理後 下から見る
E. 調整・測定。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
E1. 出力・歪み率測定・調整。
    「見方」。
   上段中 右側SP出力を「Audio Analyzer Panasonic VP−7723B」により測定。
         表示LED、 左端=メモリーNo、 中左=周波数測定、 中右=出力電圧測定、 右端=歪み率測定。
   上段右端 VP−7723Bの基本波除去出力を「owon SDS8202(200MHZ)」で「FFT分析」表示。
   下段中 左側SP出力を「Audio Analyzer Panasonic VP−7723B」により測定。
         表示LED、 左端=メモリーNo、 中左=周波数測定、 中右=出力電圧測定、 右端=歪み率測定。
   下段右端 VP−7723Bの基本波除去出力を「owon SDS6062(200MHZ)」で「FFT分析」表示。
   下段左端 オーディオ発振器 VP−7201A より50Hz〜100kHzの信号を出し(歪み率=約0.003%)、ATT+分配器を通し、AMPに入力。
          よって、ダイアル設定出力レベルより低くなります。測定機器の仕様や整備の様子はこちら、「VP−7723B」「VP−7201A」。 FFT画面の見方はこちら。
E21. 50Hz入力、R側SP出力電圧35V=145W出力、 0.0043%歪み。
               L側SP出力電圧35V=153W出力、 0.0051%歪み。
             「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=250Hz、右=1kHz。
E22. 100Hz入力、R側SP出力電圧34V=145W出力、 0.0058%歪み。
                L側SP出力電圧35V=153W出力、 0.0063%歪み。
              「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=250Hz、右=1kHz。
E23. 500Hz入力、R側SP出力電圧35V=153W出力、 0.0111歪み。
                L側SP出力電圧35V=153W出力、 0.0115%歪み。
              「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E24. 1kHz入力、R側SP出力電圧35V=153W出力、 0.0158%歪み。
               L側SP出力電圧35V=153W出力、 0.0161%歪み。
             「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E25. 5kHz入力、R側SP出力電圧35V=153W出力、 0.0145%歪み。
              L側SP出力電圧35V=153W出力、 0.0145%歪み。
             「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=25kHz、右=100kHz。
E26. 10kHz入力、R側SP出力電圧35V=153W出力、 0.0154%歪み。
                L側SP出力電圧35V=153W出力、 0.0154%歪み。
              「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=25kHz、右=100kHz。
E27. 50kHz入力、R側SP出力電圧35V=153W出力、 0.0145%歪み。
                L側SP出力電圧35V=153W出力、 0.0156%歪み。
              「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=125kHz、右=500kHz。
E3. フルパワーなので、24V高速フアンが全回転でクーリング。
E4. 0dB=VUメータ測定・調整、1Khz 150W出力。 この後、照明をLEDに変更する。
E5. 完成  24時間エージング、 左は同時修理C−200S
S. P−300S の仕様(カタログ・マニアルより) 
型式 ステレオパワーアンプ P−300S
定格出力(両ch駆動、
20Hz〜20kHz、歪0.03%以下)
200W/ch(4Ω)
150W/ch(8Ω)
75W/ch(16Ω)
高調波歪率(20Hz〜20kHz) 0.03%以下(定格出力時)
0.01%以下(-3dB出力時)
0.05%以下(50mW出力時)
IM歪率 0.01%以下(定格出力時)
周波数特性 20Hz〜20kHz +0 -0.2dB(定格出力時)
1Hz〜250kHz +0 -3dB(1W出力時)
ダンピングファクター 60(8Ω負荷、40Hz)
定格入力/入力インピーダンス 1.4V/50kΩ
S/N比(入力ショート、IHF-Aカーブ) 115dB以上(定格出力時)
ステレオ・ヘッドホン 低出力インピーダンス型
サブソニックフィルター 17Hz、18dB/oct
パワーリミッター フル・パワー、1/2、1/4、スイッチ切替え
使用半導体 トランジスタ=97個
FET=2個
IC=1個
ダイオード=92個
電源電圧 AC100V/117V/220V/240V、50Hz/60Hz
消費電力 無入力時=100W
8Ω負荷定格出力時=510W
外形寸法 幅445×高さ160(脚含む)×奥行355mm
重量 25kg
別売 ウッドケース A-2(\15,000)
価格 26万円 1977年9月発売
                       p300s-11L
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