HMA−9500mkU. 70台目修理記録
2023/6/25.到着   7/8完成 
注意 このAMPはアースラインが浮いています。
    AMPのシャーシにSPの線(アース側)やプリAMPのアースもも接続してはいけません。
    RL−SPのアース線も接続(共通)してもいけません、+−の撚りのあるのも使用出来ません。
    又、DC(directconnection)入力が可能ですが、絶対に使用しないこと=ここ参照
A. 修理前の状況
  • 【症状】
    • 20年以上前にオークションにて入手しました。
      CD再生中に右チャンネルが突然音が出なくなり、 しばらくすると元に戻ったので、一度電源を切り、 もう一度電源を入れ直してしばらく聴いていると、 焦げ臭いニオイがしたため、慌てて電源を切りました。
      それ以降、右チャンネルから音が出なくなっています。 (左チャンネルは問題なし)
      正面右側の天板を触ると、とても熱くなっていました。
  • 【ご依頼事項】
    • 故障修理およびオーバーホール
      <パーツ交換>
      • 電源コード: SAEC AC-6000
        RCA端子 : FUTECH FP901(R)
        スピーカー端子 : WBT-0702PL
      <その他>
       アンプを譲って頂いた方は、このアンプの開発者で アンプと一緒に一部の保守部材も頂きました。(ラムダコンデンサーなど)
       これらの部材がどこまで役立つかは分かりませんが、出来れば新品部材なので交換して頂ければと思います。
        なお交換部材についてですが、電源コードのSAEC AC-6000は今回アンプと一緒に同梱しておりますが、それ以外の部材は 別便にて後日お送りいたします。


B. 原因
  • DC入力を使用し、DC漏れのあるプリAMPを接続の為、R側AMPが過大入力となりヒューズ溶断。
    ヒューズ抵抗劣化。
    RLモジュールTR(トランジスター)劣化。


C. 修理状況
D. 使用部品
  • SP接続リレー                           2個。
    初段FET(電界効果トランジスター)              2個。
    バイアス/バランス半固定VR                 6個。
    ヒューズ入り抵抗                        30個。
    電解コンデンサー                        31個 。
    フイルムコンデンサー                       4個。
    SP端子 WBT−0702PL                 1組4個。
    RCA端子 FUTECH FP901(R) 支給品         1組2個。
    電源コードSAEC AC-6000 支給品             1本。
    ファストリカバリー 整流ダイオード( 3A/ 200V)      8本。
    TR(トランジスター)                       8個。

E. 調整・測定

F. 修理費      155,000円    オーバーホール修理。
   但し、最終測定時に結果が悪くて、終段FET(電界効果トランジスター)交換費用は別途。


Y. ユーザー宅の設置状況


S. HITACHI Lo−D HMA−9500mkU の仕様(マニアルより)

A. 修理前の状況。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
A11. 点検中 前から見る
A12. 点検中 前右から見る
A13. 点検中 後から見る
A14. 点検中 後から見る。 DC入力選択。
A15. 点検中 後左から見る
A16. 点検中 上から見る
A21. 点検中 下前から見る
A22. 点検中 下前左から見る
A23. 点検中 下後から見る
A24. 点検中 下後右から見る
A25. 点検中 下から見る。
A31. 点検中 下蓋を取り、下から見る
A32. 点検中 焼損した右側1次ヒューズ。
A33. 点検中 電源トランスの詰め物を見る。右側は少し焼けている。
A41. 点検中  R側ドライブ基板の電解コンデンサー頭のビニールのむけは少ない。
A42. 点検中  L側ドライブ基板の電解コンデンサー頭のビニールのむけは無。
A51. 点検中 電解コンデンサー外観比較、100μ/100V
A52. 点検中 電解コンデンサー外観比較、220μ/100V
A61. 点検中 電源基板の整流ブリッジを「ファストリカバリー 整流ダイオード( 3A/ 200V)と 交換可能。
A71. 点検中 入力RCA端子。
A711. 点検中 入力RCA端子。 FUTECH FP901(R) に交換。
A712. 点検中 入力RCA端子。 WBT−0201に交換可能です。
A713. 点検中 入力RCA端子。 WBT−0210Agに交換可能です。
A714. 点検中 入力RCA端子。 WBT−0210Cuに交換可能です。
A72. 点検中 使用されていたRCA端子。 中心電極は上下で挟む方式。
A73. 点検中 使用されていたRCA端子。 挟み込むタイプなので、接触は2点(2線)のみ。
A74. 点検中 使用されていたRCA端子。 拡大。
A75. 点検中 交換するテフロン絶縁製RCA端子。 中心電極は円筒状で4つ割方式。
A76. 点検中 WBT製RCA端子 WBT−0201。 さらに複雑な構造で「カチ」と差し込み感を与える。
A77. 点検中 最近の「RCAプラグ」の中心電極は2割になっているので接触不良が起きにくい。
A81. 点検中 R−SP端子
A82. 点検中 R−SP端子。 WBT−0702PL に交換。
A83. 点検中 R−SP端子。 WBT−0702に交換可能です。
A84. 点検中 R−SP端子。 WBT−0705Agに交換可能です。
A85. 点検中 R−SP端子。 WBT−0705Cuに交換可能です。
A86. 点検中 R−SP端子。 WBT−0735に交換可能です、但し既存の取り付け穴が見えます。
A91. 点検中 支給品 SAEC AC6000 PC−Triple C 電源コード+FURUTECH FI−11M−NIRプラグ。
A92. 点検中 支給品Λコンデンサー 
C. 修理状況。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
C1. 修理前 下になる放熱器や取っ手の部分を養生する。
C11. 修理前 R側ドライブ基板。
C12. 修理後 R側ドライブ基板。
          初段FET(電界効果トランジスター)、バランス・バイアス調整用半固定VR3個、SP接続リレー交換
          ヒューズ入り抵抗全部、電解コンデンサー11個、TR(トランジスター)2個交換、モジュール修理交換部品は除く。
C13. 修理前 R側ドライブ基板裏
C14. 修理中 R側ドライブ基板裏 定電圧TR(トランジスター)の足の銅箔を広げる。
C15. 修理(半田補正)後 R側ドライブ基板裏 半田を全部やり直す。 普通はこれで完成。
C16. 完成R側ドライブ基板裏  洗浄後防湿材を塗る。
C17. 修理(清掃)前 R側放熱器裏の埃。
C18. 修理(清掃)後 R側放熱器裏の埃。
C21. 修理前 L側ドライブ基板。
C22. 修理後 L側ドライブ基板。
          初段FET(電界効果トランジスター)、バランス/バイアス調整用半固定VR3個、SP接続リレー交換
          ヒューズ入り抵抗全部、電解コンデンサー11個、TR(トランジスター)2個交換、モジュール修理交換部品は除く。
C23. 修理前 L側ドライブ基板裏
C24. 修理中 L側ドライブ基板裏 定電圧TR(トランジスター)の足の銅箔を広げる。
C25. 修理(半田補正)後 L側ドライブ基板裏 半田を全部やり直す。
C26. 完成L側ドライブ基板裏 洗浄後防湿材を塗る。
C27. 修理(清掃)前 L側放熱器裏の埃。
C28. 修理(清掃)後 L側放熱器裏の埃。 
C31. 修理中 R側終段FET(電界効果トランジスター)周りの埃。
C32. 修理前 清掃後、R側終段FET(電界効果トランジスター)
C33. 修理中 R側終段FET(電界効果トランジスター)、取り付け絶縁マイカー。
        熱伝導の良い「シリコン製絶縁シート」は比誘電率が、シリコンオイル=2.60〜2.75、雲母=5〜8と
、2倍の開きがあり、高域特性に影響が出るので、現在は未採用。
C34. 修理後 R側終段FET(電界効果トランジスター)
C35. 修理中 L側終段FET(電界効果トランジスター)周りの埃。
C36. 修理前 清掃後、L側終段FET(電界効果トランジスター)
C37. 修理中 L側終段FET(電界効果トランジスター)、取り付け絶縁マイカー。
          熱伝導の良い「シリコン製絶縁シート」は比誘電率が、シリコン=2.60〜2.75、雲母=5〜8と、
2倍の開きがあり、高域特性に影響が出るので、現在は未採用。
C38. 修理後 L側終段FET(電界効果トランジスター)
C41. 修理前 RLモジュール。 左右でロットが異なる。
C42. 修理前 RLモジュール裏。
C43. 修理中 RLモジュール裏。 TR(トランジスター)6個交換し、洗浄後軽くラッカーを吹く。
C44. 修理中 専用機でR側モジュール修理・測定・調整中。 
C45. 修理中 専用機でL側モジュール修理・測定・調整中。
C51. 修理前 電源基板。
C52. 修理後 電源基板。 ヒューズ入り抵抗全部、電解コンデンサー9個、整流ダイオード14本、TR(トランジスター)4個交換。
           整流ブリッジを「ファストリカバリー 整流ダイオード( 3A/ 200V)と 交換。 輪ゴムは接着材が硬化するまで固定する。
C53. 修理前 電源基板裏
C54. 修理(半田補正)後 電源基板裏 半田を全部やり直す。 パスコン足絶縁チューブは2重にする。
C55. 完成電源基板裏  洗浄後防湿材を塗る
C56. 修理中 絶縁シート。 過大電流による変形あり。
C61. 修理前 RCA端子
C62. 修理中 RCA端子取り付け穴。
C63. 修理後 RCA端子  FUTECH FP901(R) に交換。
C71. 修理前 入力RCA端子基板
C72. 修理後 入力RCA端子基板。 フイルムコンデンサー2個交換。
C73. 修理前 入力RCA端子基板裏
C74. 修理中 入力RCA端子基板裏 L側もW−SWにする為、基板改造。
C75. 修理(半田補正)後 入力RCA端子基板裏  半田を全部やり直す。 フイルムコンデンサー2個増設。
C76. 完成入力RCA端子裏 洗浄後防湿材を塗る。
C77. 修理前 入力RCA端子基板取付裏
C78. 修理後 入力RCA端子基板取付裏
C81. 修理中 RCA端子基板の切り換えSW分解。
C82. 修理中 RCA端子基板の切り換えSW分解、肝心の接触端子部。
C83. 修理中 RCA端子基板の切り換えSW分解。端子を洗浄する。肝心の接触端子は綺麗な内側のを使用。
C91. 修理前 R−SP端子
C92. 修理中  R−SP接続端子穴加工前
C93. 修理中  R−SP接続端子穴加工後
C94. 修理(交換)後 R−SP端子、 WBT−0702PLに交換。
C95. 修理前 R−SP端子裏配線
C96. 修理後 R−SP端子裏配線。
              WBTのネジ止めを生かし、ネジ止め接続+半田接続のW配線にした。理由はこちら
              白く着いているのは湿度が高かった為、接着材の蒸気、やがて消えます。
CA1. 修理前 L−SP端子
CA2. 修理中 L−SP接続端子穴加工前
CA3. 修理中 L−SP接続端子穴加工後
CA4. 修理(交換)後 L−SP端子、 WBT−0702PLに交換。
CA5. 修理前 L−SP端子裏配線。
CA6. 修理後 L−SP端子裏配線。
               WBTのネジ止めを生かし、ネジ止め接続+半田接続のW配線にした。理由はこちら
              白く着いているのは湿度が高かった為、接着材の蒸気、やがて消えます。
CB1. 修理前 電源ケーブル取り付け部。
CB2. 修理中 電源ケーブル取り付け部穴加工前。
                 SP接続端子との距離を取る為に、下右方向へ広げる為、昔ながらのヤスリで削る。
CB3. 修理中 電源ケーブル取り付け部穴加工後
CB4. 修理後 電源ケーブル取り付け部
CB5. 修理中 電源ケーブル端末処理。
CB6. 修理前 ラグ端子に電源ケーブル取り付。
CB7. 修理中 ラグ端子に電源ケーブル取り付。 端子板に銅線で固定する。
CB8. 修理後 ラグ端子に電源ケーブル取り付。 さらに半田で固定する。
CB9. 修理中 電源ケーブル「SAEC AC6000 PC−Triple C」 に 「FURUTECH FI−11M−NIR」を取り付ける。
           ばらせないので差し込み接続。
CBA. 修理後 電源ケーブル+コンセント。
CC1. 修理前 R側ドライブ基板へのラッピング線
CC2. 修理後 R側ドライブ基板へのラッピング線に半田を浸み込ませる
CC3. 修理前 L側ドライブ基板へのラッピング線
CC4. 修理後 L側ドライブ基板へのラッピング線に半田を浸み込ませる
CC5. 修理前 R側ドライブ基板−電源基板へのラッピング線
CC6. 修理後 R側ドライブ基板−電源基板へのラッピング線に半田を浸み込ませる
CC7. 修理前 L側ドライブ基板−電源基板
CC8. 修理後 L側ドライブ基板−電源基板へのラッピング線に半田を浸み込ませる
CD1. 修理(交換)後 支給品Λコンデンサーに交換する。 
CE1. 交換した部品。
CE2. 交換した部品2。
CE3. 交換した部品、接点が酸化して黒いSP接続リレー。光っている所が通電部分。
CF1. 修理前 下から見る
CF2. 修理後 下から見る
E. 測定・調整。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
E0. 出力・歪み率測定・調整
    「見方」。
   上段中 右側SP出力を「Audio Analyzer Panasonic VP−7723B」により測定。
         表示LED、 左端=メモリーNo、 中左=周波数測定、 中右=出力電圧測定、 右端=歪み率測定。
   上段右端 VP−7723Bの基本波除去出力を「owon SDS8202(200MHZ)」で「FFT分析」表示。
   下段中 左側SP出力を「Audio Analyzer Panasonic VP−7723B」により測定。
         表示LED、 左端=メモリーNo、 中左=周波数測定、 中右=出力電圧測定、 右端=歪み率測定。
   下段右端 VP−7723Bの基本波除去出力を「owon SDS6062(200MHZ)」で「FFT分析」表示。
   下段左端 オーディオ発振器 VP−7201A より50Hz〜100kHzの信号を出し(歪み率=約0.003%)、ATT+分配器を通し、AMPに入力。
          よって、ダイアル設定出力レベルより低なります。測定機器の仕様や整備の様子はこちら、「VP−7723B」「VP−7201A」。 FFT画面の見方はこちら。
E1. 50Hz入力、R側SP出力電圧34V=145W出力、 0.00662%歪み。
             L側SP出力電圧34V=145W出力、 0.00677%歪み。
             「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=250Hz、右=1kHz。
E2. 100Hz入力、R側SP出力電圧34V=145W出力、 0.00277%歪み。
              L側SP出力電圧34V=145W出力、 0.00480%歪み。
              「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=250Hz、右=1kHz。
E3. 500Hz入力、R側SP出力電圧34V=145W出力、 0.00213歪み。
              L側SP出力電圧34V=145W出力、 0.00291%歪み。
              「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E4. 1kHz入力、R側SP出力電圧34V=145W出力、 0.00345%歪み。
             L側SP出力電圧34V=145W出力、 0.00339%歪み。
             「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E5. 5kHz入力、R側SP出力電圧34V=145W出力、 0.01389%歪み。
            L側SP出力電圧34V=145W出力、 0.0147%歪み。
             「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=25kHz、右=100kHz。
E6. 10kHz入力、R側SP出力電圧34V=145W出力、 0.0100%歪み。
              L側SP出力電圧34V=145W出力、 0.0158%歪み。
              「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=25kHz、右=100kHz。
E7. 50kHz入力、R側SP出力電圧34V=145W出力、 0.0662%歪み。
              L側SP出力電圧34V=145W出力、 0.0677%歪み。
              「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=100kHz、右=500kHz。
E8. 100kHz入力、R側SP出力電圧34V=145W出力、 0.0688%歪み。
               L側SP出力電圧34V=145W出力、 0.0786%歪み。
               「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=100kHz、右=500kHz。
               このAMPの特色で、全く落ちない!
E9. フルパワーなので、24V高速フアンが全回転でクーリング。
Y. ユーザー宅の設置状況。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
Y1. 設置状況、 全体正面から見る。
                     9500mk2-p3d
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