SAE MARK 2500 修理記録
2019/2/23.持込   6/19完成
A. 修理前の状況
  • 有名な「TEC*N**** BR** 」に過去に修理した物(出品者曰く)をYAHOOオークションで購入しました。
    しかし、1週間足らずで、音が出なくなりました。

B. 原因
  • ドライブTR(トランジスター)劣化。

T. バラック修理後点検測定

C. 修理状況
  • SP接続リレー交換。
    1部電解コンデンサー交換(ミューズ使用)。
    全基板半田補正。
    冷却フアン制御用サーモSW新設
    電源電圧出口 ヒューズ交換
    錆びたビスをニッケルメッキビスに交換
    1部TR(トランジスター)交換。


D. 使用部品
  • SP接続リレー                                    2個。
    電解コンデンサー(高圧を除き、オーディオ・コンデンサー使用)      16個。
    温度サーモSW                                    2個。
    ヒューズ                                         4本。
    フイルムコンデンサー                                6個。
    ニッケルメッキ・インチビス                              個。
    TR(トランジスター)                                 8個。


E. 調整・測定

F. 修理費   98,000円   オーバーホール修理
                     3台目からの、お馴染みさん価格

Y. ユーザー宅の設置状況

S. SAE(Scientific Audio Electronics) MARK2500 の仕様(マニアル・カタログより)

A. 修理前の状況・点検。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
A11. 点検中 前から見る。 持ち込みなので、上パネル(蓋)はユーザーが塗装するので持ち帰る。
A12. 点検中 前右から見る
A13. 点検中 後から見る
A14. 点検中 商標、正規輸入品で120V仕様です。
A15. 点検中 A側入力RCA端子&出力SP接続端子。 工賃が安くないので、もう少し良い物と交換したい。
A16. 点検中 B側入力RCA端子&出力SP接続端子。 工賃が安くないので、もう少し良い物と交換したい。
A17. 点検中 電源コード接続。3Pインレットに交換希望なのですが、後ろに基板があり、スペースが無。
A18. 点検中 後左から見る
A19. 点検中 上から見る
A1A. 点検中 AMPへの電圧供給、規定の8Aヒューズ。
A1B. 点検中 整流ブリッジが交換されている。
A21. 点検中 下前から見る
A22. 点検中 下前左から見る
A23. 点検中 下後から見る
A24. 点検中 下後右から見る
A25. 点検中 下から見る
T. バラック修理後点検測定。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
供給電圧はAC100V/50HZで測定。
T0. 出力・歪み率測定・調整
    「見方」。
   上段中 右側SP出力を「Audio Analyzer Panasonic VP−7723B」により測定。
         表示LED、 左端=メモリーNo、 中左=周波数測定、 中右=出力電圧測定、 右端=歪み率測定。
   上段右端 VP−7723Bの基本波除去出力を「owon SDS8202(200MHZ)」で「FFT分析」表示。
   下段中 左側SP出力を「Audio Analyzer Panasonic VP−7723B」により測定。
         表示LED、 左端=メモリーNo、 中左=周波数測定、 中右=出力電圧測定、 右端=歪み率測定。
   下段右端 VP−7723Bの基本波除去出力を「owon SDS6062(200MHZ)」で「FFT分析」表示。
   下段左端 オーディオ発振器 VP−7201A より50Hz〜100kHzの信号を出し(歪み率=約0.003%)、ATT+分配器を通し、AMPに入力。
   よって、ダイアル設定出力レベルより低くなります。測定機器の仕様や整備の様子はこちら、「VP−7723B」「VP−7201A」。 FFT画面の見方はこちら。
T1. 1kHz入力、A側SP出力電圧44V=242W出力、 1.42%歪み。
             B側SP出力電圧44V=242W出力、 1.87%歪み。
             「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
C. 修理状況。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
C1. 修理中 前パネル、基板を外したシャーシ。
C11. 修理前 清掃後のVUメーター&SW基板。
C12. 修理前 VUメーター&SW基板裏
C13. 修理(半田補正)後  VUメーター&SW基板裏 全半田やり直し
C14. 完成VUメーター&SW基板裏、 洗浄後防湿材を塗る。
C21. 修理前 VUメーターランプ基板A側。
C22. 修理前 VUメーターランプ基板A側裏。
C23. 修理(半田補正)後  VUメーターランプ基板B裏 全半田やり直し
C24. 完成VUメーターランプ基板B裏、 洗浄後防湿材を塗る。
C25. 修理前 VUメーターランプ基板B側。
C26. 修理前 VUメーターランプ基板B側裏。
C27. 修理(半田補正)後  VUメーターランプ基板B裏 全半田やり直し
C28. 完成VUメーターランプ基板B裏、 洗浄後防湿材を塗る。
C31. 修理前 A側AMP基板。1部TR(トランジスター)、電解コンデンサー、半固定VR、フイルムコンデンサー交換されている。
C32. 修理中 A側AMP基板。シリコン放熱シートが2枚重ね。誘電率対策化?
C33. 修理後 A側AMP基板。 電解コンデンサー4個、TR(トランジスター)4個交換。
C34. 修理前 A側AMP基板裏。
C35. 修理(ハンダ補正)後 A側AMP基板裏。 全半田やり直し。
C36. 完成A側AMP基板裏。 洗浄後防湿材を塗る。
C41. 修理前 B側AMP基板。1部TR(トランジスター)、電解コンデンサー、半固定VR、フイルムコンデンサー交換されている。
C42. 修理中 B側AMP基板。シリコン放熱シートが2枚重ね。誘電率対策化?
C43. 修理後 B側AMP基板。 電解コンデンサー4個、TR(トランジスター)4個交換。
C44. 修理前 B側AMP基板裏。
C45. 修理(ハンダ補正)後 B側AMP基板裏。 全半田やり直し。
C46. 完成B側AMP基板裏。 洗浄後防湿材を塗る。
C51. 修理前 A側ドライブ基板。電解コンデンサー、抵抗交換されている。
C52. 修理後 A側ドライブ基板。 電解コンデンサー2個、フイルムコンデンサー2個交換。
C53. 修理前 A側ドライブ基板裏
C54. 修理(ハンダ補正)後 A側ドライブ基板裏。 全半田やり直し。
C55. 完成A側ドライブ基板裏。 洗浄後防湿材を塗る。 
C61. 修理前 B側ドライブ基板。 電解コンデンサー、抵抗交換されている。
C62. 修理後 B側ドライブ基板。 電解コンデンサー2個、フイルムコンデンサー2個交換。
C63. 修理前 B側ドライブ基板裏
C64. 修理(ハンダ補正)後 B側ドライブ基板裏。 全半田やり直し。
C65. 完成B側ドライブ基板裏。 洗浄後防湿材を塗る。
C71. 修理前 プロテクト(リレー)基板。リレー、電解コンデンサー、TR(トランジスター)交換されている。
C72. 修理中 プロテクト(リレー)基板。 基板用リレーを購入せず汎用リレーで代用。
C73. 修理中 プロテクト(リレー)基板。 リレーはホットボンドで接着されていた。
C74. 交換部品。 左=付いていた1極5Aの物、右=交換する1極10Aの物。
            このAMPは最大300W出力なのでSP出力4Ωの場合8.7A流れます。
            接点のパラ接続では極間の抵抗にバラツキがあり、1番抵抗の少ない所に負担がかかり、定格の5Aを越えて、劣化・焼損して行きます。
            よって、1極で定格をクリヤーするのが良い。
C75. 修理後 プロテクト(リレー)基板。 リレー2個、電解コンデンサー4個。 リレー端子配線は最短距離で行う、除く電流が少ないコイル配線。
C76. 修理前 プロテクト(リレー)基板裏。  接点の配線が長すぎます。
C77. 修理(半田補正)後 プロテクト(リレー)基板裏。 全半田やり直し。
C78. 完成プロテクト(リレー)基板裏。 洗浄後防湿材を塗る。
C81. 修理中 A側終段TR(トランジスター)。 4個日本製に交換されている。
C82. 修理中 B側終段TR(トランジスター)。
C91. 修理(新設)後 冷却フアン制御用サーモSW2個新設。 風量面積の少ないR側に設置。
                                       放熱器が65度Cになると冷却フアンが回転する。   
CA1. 修理中 メイン(終段)基板
CA2. 修理中 メイン(終段)基板裏
CA22. 修理中 メイン(終段)基板裏。 電源供給線の半田。
CA23. 修理後 メイン(終段)基板裏。 電源供給線の半田、十分に盛る。
CA24. 修理中 メイン(終段)基板裏。 SP出力への取り出し線取り付け。
CA25. 修理後 メイン(終段)基板裏。 SP出力への取り出し線を半田付けとする。
CA5. 修理(半田補正)後 メイン(終段)基板裏 全半田やり直し
CA6. 完成メイン(終段)基板裏、 洗浄後防湿材を塗る。
CA7.  修理前 A側メイン(終段)基板裏。
CA8.  修理(半田補正)後 A側メイン(終段)基板裏 全半田やり直し。
CA9. 完成メインA側(終段)基板裏、 洗浄後防湿材を塗る。
CAA.  修理前 B側メイン(終段)基板裏。
CAB.  修理(半田補正)後 A側メイン(終段)基板裏 全半田やり直し。
CAC. 完成メインB側(終段)基板裏、 洗浄後防湿材を塗る。 
CB1. 修理後 ブロック電解コンデンサー回り配線、右側。
           ユーザーは小出力使用なので、TR(トランジスター)保護の為、ヒューズ容量を下げ、速断に交換。
CB2. 修理後 ブロック電解コンデンサー回り配線、左側。フイルムコンデンサー追加。
           ユーザーは小出力使用なので、TR(トランジスター)保護の為、ヒューズ容量を下げ、速断に交換。
CC1. 修理前 電源接続端子。
CC2. 修理前 電源接続端子。フアン制御配線追加。
CC3. 修理前 電源接続端子、保護カバー。 固定ツメが折れている。
CC3. 修理前 電源接続端子、保護カバー。 固定ツメを取り付ける。
CD1. 交換部品
CD2. 交換部品。 左=付いていた1極5Aの物、右=交換する1極10Aの物。
            このAMPは最大300W出力なのでSP出力4Ωの場合8.7A流れます。
            接点のパラ接続では極間の抵抗にバラツキがあり、1番抵抗の少ない所に負担がかかり、定格の5Aを越えて、劣化・焼損して行きます。
            よって、1極で定格をクリヤーするのが良い。
CE1. 修理前 上から見る
CE2. 修理後 上から見る
E. 測定・調整。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
供給電圧はAC100V/50HZ。 当方の電力供給は悪く(100V/30A契約)、97V位まで、電圧が下がります。
E0. 出力・歪み率測定・調整
    「見方」。
   上段中 右側SP出力を「Audio Analyzer Panasonic VP−7723B」により測定。
         表示LED、 左端=メモリーNo、 中左=周波数測定、 中右=出力電圧測定、 右端=歪み率測定。
   上段右端 VP−7723Bの基本波除去出力を「owon SDS8202(200MHZ)」で「FFT分析」表示。
   下段中 左側SP出力を「Audio Analyzer Panasonic VP−7723B」により測定。
         表示LED、 左端=メモリーNo、 中左=周波数測定、 中右=出力電圧測定、 右端=歪み率測定。
   下段右端 VP−7723Bの基本波除去出力を「owon SDS6062(200MHZ)」で「FFT分析」表示。
   下段左端 オーディオ発振器 VP−7201A より50Hz〜100kHzの信号を出し(歪み率=約0.003%)、ATT+分配器を通し、AMPに入力。
   よって、ダイアル設定出力レベルより低くなります。測定機器の仕様や整備の様子はこちら、「VP−7723B」「VP−7201A」。 FFT画面の見方はこちら。
E11. 50Hz入力、A側SP出力電圧48V=288W出力、 0.0091%歪み。
              B側SP出力電圧49V=300W出力、 0.0078%歪み。
             「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=250Hz、右=1kHz。
E12. 100Hz入力、A側SP出力電圧48V=288W出力、 0.071%歪み。
               B側SP出力電圧49V=300W出力、 0.089%歪み。
              「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=250Hz、右=1kHz。
E13. 500Hz入力、A側SP出力電圧49V=300W出力、 0.0091%歪み。
               B側SP出力電圧49V=300W出力、 0.0091%歪み。
              「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E14. 1kHz入力、A側SP出力電圧49V=300W出力、 0.0122%歪み。
              B側SP出力電圧49V=300W出力、 0.0122%歪み。
             「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E15. 5kHz入力、A側SP出力電圧49V=300W出力、 0.028%歪み。
             B側SP出力電圧49V=300W出力、 0.028%歪み。
             「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=25kHz、右=100kHz。
E16. 10kHz入力、A側SP出力電圧49V=300W出力、 0.030%歪み。
               B側SP出力電圧49V=300W出力、 0.030%歪み。
              「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=25kHz、右=100kHz。
E17. 20kHz入力、A側SP出力電圧48V=288W出力、 0.022%歪み。
               B側SP出力電圧48V=288W出力、 0.022%歪み。
              「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=100kHz、右=500kHz。
E2. フルパワーなので、本体フアン+24V高速フアンが全回転でクーリング。
E31. VUメーター調整。 MeterSensitivity=−24dレンジで0dB入力。
E32. VUメーター調整。 そのままでMeterSensitivity=−12dBレンジに切り換。
E33. VUメーター調整。 MeterSensitivity=−12dBレンジ0dB入力。
E34. VUメーター調整。 そのままでMeterSensitivity=−6dBレンジに切り換。
E35. VUメーター調整。 MeterSensitivity=−6dBレンジで0dB入力。
E36. VUメーター調整。 そのままでMeterSensitivity=0dBレンジに切り換。
E41. 入力ATT点検。 0dB。
E42. 入力ATT点検。 −3dB、入力発振器インピーダンス=600Ωなので少し誤差あり。
E43. 入力ATT点検。 −6dB、入力発振器インピーダンス=600Ωなので少し誤差あり。
E42. 入力ATT点検。 −12dB、入力発振器インピーダンス=600Ωなので少し誤差あり。
E5. 完成 24時間エージング中。 左はSP−10MKV. 20台目
Y. ユーザー宅の設置状況
Y1. 設置状況、 正面から見る。
S. SAE(Scientific Audio Electronics) MARK 2500 の仕様(マニアル・カタログより) 
型式 SAE MARK 2500 ステレオパワーアンプ
実効出力 300W+300W(4Ω〜8Ω、20Hz〜20kHz、両ch駆動、歪率0.05%)
全高調波歪率 0.05%(20Hz〜20kHz、8Ω、250mW〜300W)
混変調歪率 0.05%(250mW〜400W、8Ω、20Hz〜20kHz間の任意の2周波数の4:1混合)
周波数特性 20Hz〜20kHz ±0.25dB(定格出力時)
ダンピングファクター 150(100Hz)
SN比 100dB(定格出力時)
入力端子 RCA入力端子 1系統
入力感度/入力インピーダンス 1.84V/50kΩ
入力レベル調整 左右独立プッシュボタン式4段階ゲイン切替(0、-3、-6、-12dB)
メーター感度 左右連動プッシュボタン式4段階切替(0、-6、-12、-24dB)
付属 冷却用ファン
電源 AC110〜125V、50Hz/60Hz。
定格消費電力 1,100W(定格出力時)
外形寸法 幅483×高さ188×奥行460mm(端子、ハンドル類を含む)
重量 25.2kg
価格 \700,000(1976年頃)
                 2500_125
ここに掲載された写真は、修理依頼者の機器を撮影した者です、その肖像権・版権・著作権等は、放棄しておりません。
写真・記事を無断で商用利用・転載等することを、禁じます。
Copyright(C) 2023 Amp Repair Studio All right reserved.