KENWOOD L−01T.2台目修理記録
2020/4/5到着   4/20完成
A. 修理前の状況
  • 基本的な動作には問題はありません。
    ただし、昨年8月頃から時々「プチッ」と言うノイズが、頻度は高く無いものの時々出る様になり、
    昨年の11月頃からは、本来はチューニングノブに触れるとパネルのSメータ等のランプ類が点灯する仕様なのですが、それが点灯しなくなり、またステレオ受信時に点灯するインジケータも時折点灯しなくなります。
    受信自体はステレオで受信できている様です。
    ただインジケータの症状は、電源コードをコンセントから抜いて、一晩くらい放置すると回復しますが、暫く通電していると、また症状が出ます。
    最近は音が歪む様になりました。
    この機会ですので、暫く不安なく使用できる様に、オーバーホールをお願いしたいと考えております。



B. 原因
  • 経年変化による劣化。
    ツマミ感知回路故障。
    19kHzキャンセラー回路故障。
    バラック修理で、モノ受信で歪み率=0.07〜0.09%、ステレオ受信で歪み率=0.7〜1%確認。

C. 修理状況
  • RF増幅、トラッキング、IF回路、MPX回路、修理・調整。
    配線手直し、補強。
    半固定VR交換。
    OP−AMP交換。
    IC交換。
    電解コンデンサー交換。
    不良TR(トランジスター)交換。



K. 上木ケース修理

D. 使用部品
  • 電解コンデンサー(オーディオコンデンサー使用)        80個。
    半固定VR                                 11個。
    OP−AMP                                2個。
    IC                                      2個。
    TR(トランジスター)                           3個。
    ダイオード                                 3本。
    抵抗                                     2本。


E. 調整・測定

. 修理費    98,000円   オーバーホール修理。
 
                      3台目からの、お馴染みさん価格。

Y. ユーザー宅の設置状況

S. KENWOOD L−01T の仕様(マニアル・カタログより)


A. 修理前の状況。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
A11. 点検中 前から見る
A12. 点検中 前右から見る
A13. 点検中 後から見る
A14. 点検中 後左から見る
A15. 点検中 上から見る
A16. 点検中 上ケースを取り、上から見る。
A17. 点検中 上ケースを取り清掃後、上から見る。
A18. 点検中 上ケース・シールドを取り、上から見る。
A21. 点検中 下前から見る
A22. 点検中 下前左から見る
A23. 点検中 下後から見る
A24. 点検中 下後右から見る
A25. 点検中 下から見る
A26. 点検中 下から見る。 12年8月22日メーカーの修理標。
A27. 点検中 下蓋を取り、下から見る。
A28. 点検中 下蓋・シールド取り、下から見る。
A29. 点検中 過去の修理で、下蓋に鋏まれて潰れた同軸。
A31. 点検中 出力RCA端子郡。
A32. 点検中 出RCA端子郡、 テフロン絶縁のRCA端子と交換可能。
A41. 点検中 電源コード。
A42. 点検中 電源コードを3Pインレットに交換可能。使用するのは FURUTECH FI-10(R) ロジウムメッキ。
C. 修理状況。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
C11. 修理前 電源基板
C112. 修理中 電源基板、電解コンデンサーを固定した接着材、トルエンを使用したのでしょう、金属を腐食します。
C113. 修理中 電源基板、電解コンデンサーを固定した接着材を取り除き、コート液を塗る。
C114. 修理中 電源基板、電解コンデンサーを固定した接着材2、トルエンを使用したのでしょう、金属を腐食します。
C115. 修理中 電源基板、電解コンデンサーを固定した接着材2を取り除き、コート液を塗る。
C12. 修理後 電源基板 電解コンデンサー23個交換
C13. 修理前 電源基板裏
C14. 修理(半田補正)後 電源基板裏。 半田を全部やり直す。 フイルムコンデンサー4個追加。
C15. 完成電源基板裏。余分なフラックスを洗浄後、コート液を塗る。
C16. 修理前 電源基板裏ラッピング
C17. 修理後 電源基板裏ラッピング。 半田を浸み込ませる。
C18. 修理前 電源基板裏ラッピング2。
C19. 修理後 電源基板裏ラッピング2。 半田を浸み込ませる。
C1A. 修理後 電源基板裏ラッピング3。
C1B. 修理後 電源基板裏ラッピング3。 半田を浸み込ませる。
C21. 修理前 メイン基板
C212. 修理中 メイン基板、電解コンデンサーを固定した接着材。
C213. 修理中 メイン基板、電解コンデンサーを固定した接着材を取り除き、コート液を塗る。
C22. 修理後 メイン基板 半固定VR11個、IC7個、OP-AMP2個、電解コンデンサー54個交換 
C23. 修理前 メイン基板裏
C24. 修理(半田補正)後 メイン基板裏。 半田を全部やり直し、余分なフラックスを洗浄後。
C25. 完成メイン基板裏、コート液を塗る。
C26. 修理前 メイン基板裏ラッピング。
C27. 修理後 メイン基板裏ラッピング。 半田を浸み込ませる。
C28. 修理前 メイン基板裏ラッピング2。
C29. 修理後 メイン基板裏ラッピング2。 半田を浸み込ませる。
C2A. 修理前 メイン基板裏ラッピング3。
C2B. 修理後 メイン基板裏ラッピング3。 半田を浸み込ませる。
C2C. 修理前 メイン基板裏ラッピング4。
C2D. 修理後 メイン基板裏ラッピング4。 半田を浸み込ませる。
C31. 修理前 フロントエンド基板。
C312. 修理中 フロントエンド基板、電解コンデンサーを固定した接着材。
C313. 修理中 フロントエンド基板、電解コンデンサーを固定した接着材を取り除き、コート液を塗る。
C32. 修理後 フロントエンド基板 電解コンデンサー3個交換
C33. 修理前 フロントエンド基板裏
C34. 修理(半田補正)後 フロントエンド基板裏。 半田を全部やり直す。
C35. 完成フロントエンド基板裏。 余分なフラックスを落として、コート液を塗る。
C36. 修理前 フロントエンド基板裏ラッピング。
C37. 修理後 フロントエンド基板裏ラッピング。 半田を浸み込ませる。
C38. 修理前 フロントエンド基板裏ラッピング2。
C39. 修理後 フロントエンド基板裏ラッピング。 半田を浸み込ませる。
C41. 修理前 コントロール基板
C42. 修理前 コントロール基板裏
C43. 修理(半田補正)後 コントロール基板裏。 半田を全部やり直す。
C44 完成コントロール基板裏。 余分なフラックスを洗浄後、コート液を塗る。
C51. 修理前 ツマミ感知基板
C52. 修理前 ツマミ感知基板裏
C53. 修理(半田補正)後 ツマミ感知基板裏。 半田を全部やり直す。
C54. 完成ツマミ感知表示基板裏。余分なフラックスを洗浄後、コート液を塗る。
C61. 交換部品
C62. 交換部品、 TRIO,KENWOOD名入りの電解コンデンサ−!
C71. 修理前 上から
C72. 修理後 上から
C73. 修理前 下から
C74. 修理後 下から
K. 上木ケース修理。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
K1. 左側接続部分。
K2. 右側接続部分。
K3. 左側接続部分。ボンドを塗り込む。
K4. 右側接続部分。ボンドを塗り込む。
K5. 左側側板下部分。ボンドを塗り込む。
K6. 右側側板下部分。ボンドを塗り込む。
K7. 修理完成後下から見る。
E. 調整・測定、 FM受信感度、RL分離測定調整。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
     <見方>
 中上の「LEADER 3216P FMステレオ信号発信器」より信号を出す。これを受信し出力を測定する。
   表示LED、 左端=変調度、 中左=メモリNo、 中右=出力周波数、 右端=出力レベル。
 中下=R出力測定。
   「Audio Analyzer Panasonic VP−7723B」より測定。
   表示LED、 左端=メモリーNo、中左=周波数測定、中右=出力電圧測定、右端=歪み率測定。
 下=L出力測定。
   「Audio Analyzer Panasonic VP−7723B」より測定。
   表示LED、 左端=メモリーNo、中左=周波数測定、中右=出力電圧測定、右端=歪み率測定。
   チューナの出力電圧は固定を使用
E1. 75/50Ω変換アダプター。 無線機器のプロ器は、インピーダンスが50Ω。 民生機器は75Ω。
    これを挿入しているので、「LEADER 3216P FMステレオ信号発信器」の信号出力は+6dB高い。
E11. FMトラッキング調整。 77MHZに合わす。
E12. FMトラッキング調整。 89MHZに合わす。
E21. FM モノラル受信測定。
     <見方>
     中上の「LEADER 3216P FM信号発信器」より信号を出す。 これを受信し出力を測定する。
        変調周波数=400Hz、 変調度=100%(75kHzデビエーション)、 出力周波数=83MHZ、 出力レベル=60dB。
     中下=R出力測定。
        「Audio Analyzer Panasonic VP−7723B」より測定。
        出力電圧=1.069V、 歪み率=0.0308%。
     下=L出力測定。
        「Audio Analyzer Panasonic VP−7723B」より測定。
        出力電圧=1.121V、 歪み率=0.0393%。
E22. FM モノラル受信測定。
     <見方>
     中上の「LEADER 3216P FM信号発信器」より信号を出す。 これを受信し出力を測定する。
        変調周波数=1kHz、 変調度=100%(75kHzデビエーション)、 出力周波数=83MHZ、 出力レベル=60dB。
     中下=R出力測定。
         「Audio Analyzer Panasonic VP−7723B」より測定。
         出力電圧=1.027V、 歪み率=0.0310%。
     下=L出力測定。
         「Audio Analyzer Panasonic VP−7723B」より測定。
         出力電圧=1.077V、 歪み率=0.0399%。
E31. FM ステレオ受信測定。
     <見方>
     中上の「LEADER 3216P FMステレオ信号発信器」 より信号を出す。 これを受信し出力を測定する。
         これを受信し出力を測定する。
         変調周波数=400Hz、 変調度=90%(67.5kHzデビエーション)、 出力周波数=83MHZ、 出力レベル=60dB。
     中下=R出力測定。
         「Audio Analyzer Panasonic VP−7723B」より測定。
         出力電圧=0.861V、 歪み率=0.044%。
     下=L出力測定。
         「Audio Analyzer Panasonic VP−7723B」より測定。
         出力電圧=0.904V、 歪み率=0.058%。
E32. FM ステレオ受信測定。
     <見方>
     中上の「LEADER 3216P FM ステレオ信号発信器」 信号を出す。 これを受信し出力を測定する。
         これを受信し出力を測定する。
         変調周波数=1kHz、 変調度=90%(67.5kHzデビエーション)、 出力周波数=82MHZ、 出力レベル=60dB。
     中下=R出力測定。
         「Audio Analyzer Panasonic VP−7723B」より測定。
         出力電圧=0.828V、 歪み率=0.043%。
     下=L出力測定。
         「Audio Analyzer Panasonic VP−7723B」より測定。
         出力電圧=0.868V、 歪み率=0.047%。
E41. FM ステレオ受信RL分離度測定。Log849/2.9=49.3dB。
     <見方>
     中上の「LEADER 3216P FMステレオ信号発信器」より「R側信号」を出す。
         これを受信し出力を測定する。
         変調周波数=400Hz、 変調度=90%(67.5kHzデビエーション)、 出力周波数=83MHZ、 出力レベル=60dB。
     中下=R出力測定。
         「Audio Analyzer Panasonic VP−7723B」より測定。
         出力電圧=0.849V、 歪み率=0.12%。
     下=L出力測定。
         「Audio Analyzer Panasonic VP−7723B」より測定。
         出力電圧=2.9mV、 歪み率=入力レベルが低すぎて測定不可。
E42. FM ステレオ受信RL分離度測定。Log846/2.4=50.9dB。
     <見方>
     中上の「LEADER 3216P FM ステレオ信号発信器」より「L側信号」を出す。
         これを受信し出力を測定する。
         変調周波数=400Hz、 変調度=90%(67.5kHzデビエーション)、 出力周波数=83MHZ、 出力レベル=60dB。
     中下=R出力測定。
         「Audio Analyzer Panasonic VP−7723B」より測定。
         出力電圧=2.4mV、 歪み率=入力レベルが低すぎて測定不可。
     下=L出力測定。
         「Audio Analyzer Panasonic VP−7723B」より測定。
         出力電圧=0.846V、 歪み率=0.13%。
E43. FM ステレオ受信RL分離度測定。Log813/1.9=52.6dB。
     <見方>
     中上の「LEADER 3216P FMステレオ信号発信器」より「R側信号」を出す。
         これを受信し出力を測定する。
         変調周波数=1kHz、 変調度=90%(67.5kHzデビエーション)、 出力周波数=83MHZ、 出力レベル=60dB。
     中下=R出力測定。
         「Audio Analyzer Panasonic VP−7723B」より測定。
         出力電圧=0.813V、 歪み率=0.109%。
     下=L出力測定。
         「Audio Analyzer Panasonic VP−7723B」より測定。
         出力電圧=1.9mV、 歪み率=入力レベルが低すぎて測定不可。
E44. FM ステレオ受信RL分離度測定。Log847/2.4=50.9dB。
     <見方>
     中上の「LEADER 3216P FM ステレオ信号発信器」より「L側信号」を出す。
         これを受信し出力を測定する。
         変調周波数=1kHz、 変調度=90%(67.5kHzデビエーション)、 出力周波数=82MHZ、 出力レベル=60dB。
     中下=R出力測定。
         「Audio Analyzer Panasonic VP−7723B」より測定。
         出力電圧=2.4mV、 歪み率=入力レベルが低すぎて測定不可。
     下=L出力測定。
         「Audio Analyzer Panasonic VP−7723B」より測定。
         出力電圧=0.847V、 歪み率=0.13%。
F1. FM IF帯域測定、Wide。 Spectrum analyzer RIGOL DS815で測定。−3dBの所で276kHzの幅。
F2. FM IF帯域測定、Narrow。 Spectrum analyzer RIGOL DS815で測定。−3dBの所で183kHzの幅。
E5. 引き続き24時間エージング。 左はKT−8300
Y. ユーザー宅の設置状況。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
Y1. 設置状況、 正面から見る。
S. KENWOOD L−01T の仕様(マニアル・カタログより) 
型式 FMステレオチューナー L−01T
受信周波数範囲 76MHz〜90MHz
アンテナインピーダンス 75Ω不平衡
感度(75Ω) normal=10.3dBf(新IHF)/0.9μV(IHF)、 direct= 20.7dBf(新IHF)/3μV(IHF)
SN比50dB感度 normal mono=15.8dBf(新IHF)/1.7μV(IHF)>
stereo=    37.2dBf(新IHF)/20μV(IHF)
direct mono=26.7dBf(新IHF)/6μV(IHF)
stereo=    48.1dBf(新IHF)/70μV(IHF)
高調波歪率 mono、 wide、 narrow
100Hz=0.02%、0.04%
1kHz=0.02%、0.15%
6kHz=0.04%、0.2%
15kHz=0.04%、0.05%
50Hz〜10kHz=0.04%、0.4%
stereo、 wide、 narrow
100Hz=0.03%、0.3%
1kHz=0.03%、0.2%
6kHz=0.05%、0.35%
15kHz=0.18%、0.4%
50Hz〜10kHz=0.08%、0.4%
SN比(100%変調) mono=86dB、 stereo=80dB
イメージ妨害比 120dB
選択度(IHF) wide=45dB、 narrow=65dB(300kHz)
IF妨害比 120dB
スプリアス妨害比 120dB
AM抑圧比 65dB
キャプチャーレシオ wide=0.9dB
narrow=2.5dB
サブキャリア抑圧比 70dB
ステレオセパレーション  wide、 narrow
1kHz=60dB、 47dB
100Hz〜10kHz=48dB、35dB
15kHz=45dB、35dB
周波数特性 15Hz〜15kHz ±0.5dB
出力レベル/インピーダンス FM(1kHz、100%変調) Variable=0〜1.5V/150Ω
Fixed=0.75V/150Ω
マルチパス出力(1kHz、30%変調) Vertical=0.1V/1kΩ
Horizontal=0.3V/10kΩ
電源電圧 AC100V、50Hz/60Hz
定格消費電力 50W(電気用品取締法)
最大外形寸法 幅440×高さ136×奥行452mm
重量 9.1kg
価格 \160,000(1979年頃)
                      l01t-22k
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