DENON PRA−2000ZR 修理記録
平成14年7月25到着 平成14年1月15日完成
注意 このAMPはPRE−OUT/REC端子出力にDCが出る事が有ります。
    よって、メインAMPに、DC入力が有る場合、これを使用しないように! HMA−9500やB-2301等

    このクラスのAMPでも経年変化には勝てず、電解コンデンサー+コンデンサーの交換が必要です
A. 修理前の状況
  • 調子が悪く、メーカーに持っていったところ 補修部品が無い為、代替品で対応と成るが「音質は保証出来ない」という回答
    確かに20年以上も昔の機器ですので仕方が無いとは思いますが、何しろこのアンプは「フォノ」 の音が最高で、
    いわゆる外付けのイコライザーやトランスなど色々探して試しましたが、これにかなう (好みもありますが)ものが無く、
    何とか修理出来ないものか?模索していたところでした
    症状は以下の通りです
    • 1.フォノ系統が3種あり、すべてRCA端子がガタガタに成り接触不良に陥った為、過去に1回メーカーで
       修理してもらった、しかし2年もしないうちに再発し「自分で簡単な補修を行っている」しばらくは良かった
       がまたしても調子が悪く片チャンネルの音が出なくなった(MC1系統のみ)
    • 2.数年前にトーンコントロールのジャンプスイッチが壊れ、これもメーカー修理に出したが、オンオフ時に
       ものすごいノイズが発生するようになった
    • 3.リレー等は多分一度も交換した事は無いと思いますし、ボリューム 類の劣化もそれなりにあると思います

B. 原因・現状
  • 経年変化による各部劣化。

C. 修理状況
  • 全電解コンデンサ−交換。
    ペーパーコンデンサーをメタライズド・フイルム・コンデンサーに交換。
    半固定VR交換。
    初段FET(電解トランジスター)交換。
    入力端子修理。


D. 使用部品
  • オーディオ用電解コンデンサー  108個(ニチコン・ミューズ使用)。
    フイルム・コンデンサー       42個(ローデンシュタイン使用)。
    半固定VR                4個。
    FET(電解トランジスター)       2個。


E. 調整・測定

F. 上位測定器による 調整・測定

G. 修理費(改造費)  95,000円   「オーバーホール修理」

S. DENON PRA−2000ZR の仕様(マニアル・カタログより)

A. 修理前の状況 A1.  修理前、上からみる
A2. 熱でふくれた、源部の電解コンデンサー
A3. 熱で基板の色が変色している、熱で電解コンデンサーのビニールが後退している
A4.  修理前、下からみる
A5. 熱でふくれた、源部の電解コンデンサー
A6. 熱で基板の色が変色している、熱で電解コンデンサーのビニールが後退している
C. 修理状況 C1A. 修理中 「1入力RCA端子」        当時は太く重いケ−ブルの接続を想定していないので、端子はこの様にボロボロなる
   左=割れて入るところを鏝で接着    中2個=網線で固定する      右=ホット・ボンドで固める
C1B. 修理中 「2入力RCA端子」
       当時は太く重いケ−ブルの接続を想定していないので、端子はこの様にボロボロなる
       左端の1個は端子の内部が無いので 修理不可かな?
     左=割れて入るところを鏝で接着    中左=網線で固定する      中右&右=ホット・ボンドで固める
C1C1. 修理後 「2入力RCA端子」、前。       左=上の左端           右=上の中左
C1C2. 修理後 「2入力RCA端子」、後ろ。    左=上の左端           右=上の中左
C2A. 修理前 EQ−HEAD-AMP基板 左=MM 中=MC 右=トランス使用MC 上右端がMC−トランス
C2B. 修理後 EQ−HEAD-AMP基板
C2C. 修理前 EQ−HEAD-AMP基板裏
C2D. 修理(半田補正)後 EQ−HEAD-AMP基板裏  全ての半田をやり修す
C3A. 修理前 EQ−AMP基板
C3B. 修理後 EQ−AMP基板
C3C. 修理前 EQ−AMP基板裏
C3D. 修理(半田補正)後 EQ−AMP基板裏 RCA端子半田付けは仮付け  全ての半田をやり修す
C4A. 修理前 電源・・コントロール基板
C4B. 修理後 電源・コントロール基板
C4C. 修理前 電源・コントロール基板裏
C4D. 修理(半田補正)後 電源・コントロール基板裏  全ての半田をやり修す
C4E. メインVR 分解 清掃前 抵抗体 摺動部 内側の丸い所が酸化しているのが見える
C4F. メインVR 清掃後 抵抗体 摺動部
C5A. 修理前 電源基板
C5B. 修理(半田補正)後 電源基板
C5C. 修理前 電源基板裏
C5D. 修理(半田補正)後 電源基板裏  全ての半田をやり修す
C6A. 修理前 バッファーAMP・SWコントロール基板
C6B. 修理後 バッファーAMP・SWコントロール基板
C6C. 修理前 バッファーAMP・SWコントロール基板裏
C6D. 修理(半田補正)後 バッファーAMP・SWコントロール基板裏  全ての半田をやり修す
C7A. 修理前 NFB−AMP基板
C7B. 修理後 NFB−AMP基板
C7C. 修理前 NFB−AMP基板裏
C7D. 修理(半田補正)後  NFB−AMP基板裏
C7E. バランスVR 分解 清掃前 抵抗体 摺動部 内側の丸い所が酸化しているのが見える
C7F. バランスVR 清掃後 抵抗体 摺動部
C8. 交換部品 コンデンサー10個少ないです
C9. パネル清掃
C10A. 修理後 上から見る
C10B. 修理後 下から見る
E. 調整・測定
E1. 出力/歪み率測定
E2A. 出力電圧1V 歪み率=0.0?% 測定レンジ=0.1% AUX入力 1000HZ
E2B. 出力電圧1V 歪み率=0.0?% 測定レンジ=0.1% AUX入力 400HZ
E3A. 出力電圧1V 歪み率=0.0?% 測定レンジ=0.1% MM入力 1000HZ 
E3B. 出力電圧1V 歪み率=0.0?% 測定レンジ=0.1% MM入力 400HZ
E4A. 出力電圧1V 歪み率=0.0?% 測定レンジ=0.1% MC入力 1000HZ
E4B. 出力電圧1V 歪み率=0.0?% 測定レンジ=0.1% MC入力 400HZ
E5A. 出力電圧1V 歪み率=0.0?% 測定レンジ=0.1% MC−トランス入力 1000HZ
E5B. 出力電圧1V 歪み率=0.0?% 測定レンジ=0.1% MC−トランス入力 400HZ
F. 上位測定器による 調整・測定
F0. 下のオーディオアナライザーVP−7732Aで自動測定
F1. 入出力特性測定(AUX入力)
      AUX入力端子へ150mV一定入力 VRはmax 平均で0.9V出力   左出力=薄(細い)色 右出力=濃い(太い)色
2. 入出力特性測定(MM入力)
      MM入力 入力電圧=1mV一定入力 VRはmax  左出力=薄(細い)色 右出力=濃い(太い)色
      フイルムコンデンサーも交換しているので、左右のバラツキなし
3. 入出力特性測定(MC入力)
      MM入力 入力電圧=1mV一定入力 VRはmax    左出力=薄(細い)色 右出力=濃い(太い)色
      フイルムコンデンサーも交換しているので、左右のバラツキなし
F4. 入出力特性測定(MCトランス入力)
      MCトランス力 入力電圧=1mV一定入力 VRはmax    左出力=薄(細い)色 右出力=濃い(太い)色
      高域30KHZから上に差が出ているのは、MCトランスのバラツキでしょう
5. 歪み率測定 AUX入力  左出力=薄(細い)色 右出力=濃い(太い)色
      レベルは測定器任せの全自動、VRはmax  
6. 歪み率測定 MM入力  左出力=薄(細い)色 右出力=濃い(太い)色
      MM入力端子に3.6mV一定入力 VRはmax
      この測定器は入力レベルが変化すると、正しく測定できない、
      入力に逆RIAAフイルタ−を入れ、入力レベルを一定にしないと、正確な測定は出来ないので参考程度
S. DENON PRA−2000ZR の仕様(マニアル・カタログより)
型式 ステレオプリアンプ=PRA−2000ZR
イコライザーアンプ部(PHONO IN〜REC OUT)
入力感度/インピーダンス PHONO-1 MC:0.1mV/40Ω
PHONO-2 MC:0.12mV/100Ω
PHONO-3 MM:2.5mV/47kΩ
最大許容入力 PHONO-1 MC:20mV/1kHz
PHONO-2 MC:24mV /1kHz
PHONO-3 MM:500mV/1kHz
最大出力/定格出力 30V/150mV
全高調波ひずみ率 0.001%以下 1kHz 20V出力時(PHONO-1)...注=REC OUTが10Vにはなりません!
0.0015%以下 20Hz〜20kHz 3V出力時(PHONO-2&3)...注=REC OUTが3Vにはなりません!
RIAA偏差 PHONO-1 MC=20Hz〜100kHz ±0.2dB
PHONO-2 MC=20Hz〜100kHz ±0.2dB
PHONO-3 MM=10Hz〜100kHz ±0.2dB
SN比 PHONO-1 MC=80dB(入力0.25mV時、Aカーブ・ウェイティング)
PHONO-2 MC=75dB(入力0.25mV時、Aカーブ・ウェイティング)
PHONO-3 MM=90dB(Aカーブ・ウェイティング)
セパレーション 20Hz, 1kHz, 80dB以上. 20kHz, 70dB以上
ハイレベルアンプ部(AUX IN〜PRE OUT)
入力感度/インピーダンス TUNER、CD,DAD/AUX、TAPE(PB-1&2)=150mV/47kΩ
最大出力/定格出力 12V/1.0V
全高調波ひずみ率 0.0015%以下 20Hz〜20kHz、4V出力時
周波数特性 1Hz〜300kHz +0/-3dB
10Hz〜100kHz +0/-0.3dB
SN比 105dB(Aカーブ・ウェイティング)
セパレーション 20Hz:100dB、1kHz:75dB、20kHz:65dB
ゲイン 16.5dB
ミューティング -20dB(LED点灯指示)
プリアウトオフ -∞dB(LED点滅指示)
フィルター HIGH:7kHz、6dB/oct LOW(サブソニック):16Hz、6dB/oct
トーンコントロ−ル TREBLE:±8dB/10kHz BASS:±8dB/100Hz
消費電力 63W(電気用品取締法による)
外形寸法 W462×H145×D385mm(つまみ類、足の高さ含む)/10.6kg
重量 10.6kg
付属品 低容量接続コード1本、保証書
価格 250,000円、1984年2月
                      pra20001k
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