Sansui AU−D907X.  11台目修理記録
平成16年12月4日持込  平成17年2月4日完成 
注意 このAMPはRL−SPのアース側にもAMPが入っています
    よって、AMPのシャーシにSPの線(アース側)を接続してはいけません、共通にしてもいけません、終段TRが死にます
A. 修理前の状況
  • 20年程昔のことです。 仕事は大変忙しく、徹夜、休日出勤どころかトラブル対応で47時間連続勤務(仮眠もなし)といった生活をしておりました。 また、その時は私的なトラブルも重なり、法律上の決着は見ておりましたが精神的には参っており、休日は自宅で音楽と読書 という生活をしておりました。
    そんな時に出会ったのが907Xです。 徹夜あけの帰宅途中に型落ちして店先に山積みとなっていたものを衝動買いして持ち帰りました。 大変重かった事を覚えています。
    最近は私が音楽を聞くよりもPS2を接続した子供達がDVDやゲームに使うことが多くなっておりました。 ホームシアター用のAVアンプ購入も考えましたが、それではダイアトーンのDS2000が泣きます。 妻はDS2000が邪魔でAVアンプと小型スピーカーの方が嬉しいようです。
    でも、妻よりも長く一緒に生活してきた907Xを生き返らせて頂いて、あと20年使いたいと思います。 amp8様としては20年は約束出来ないところと思います。
    以下に過去の故障内容は、右チャネルから音が出なくなったものを1991か92年くらいにサンスイのサービスセンターで修理しました
       現在の不具合
      1.スピーカーAの右チャネルの音が出ない
      2.スビーカーAが駄目になった後、スピーカーBは音が出ていたのですがBの音も出なくなりました
      3.PHONO SELECTORの切り替え不良 私が認識している不具合は以上です

B. 原因
  • 釣った魚にもえさ を与えましょう
    経年劣化、EQ−AMP不良

C. 修理状況
  • SP接続リレー交換。
    電源投入リレー交換。
    メインAMPのバランス・バイアス半固定VR交換。
    メインAMPの初段FET(電界効果トランジスター)交換。
    コントロールAMPの初段FET(電界効果トランジスター)交換。
    取り外し、各基板の半田不良を修理します、所謂、半田補正作業。
    電解コンデンサー交換。
    表示ランプ交換。

D. 使用部品
  • バランス・バイアス半固定VR 13mmΦ高級品      12個。
    メインAMPの初段FET(電界効果トランジスター)       2個。
    EQ−AMPの初段FET(電界効果トランジスター)      4個。
    SP接続リレ                              2個。
    電源投入リレー
    電解コンデンサー(ミューズ使用)               82個。
    フイルムコンデンサー                       3個。
    表示ランプ                             5個。


E. 調整・測定

  • F. 調整費  95,000円    オーバーホール修理。

S. Sansui AU−D907X の仕様(マニアル・カタログより)


A. 修理前の点検状況。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
A1A. 点検中 上から見る すごい埃!!
A1B. 点検中 掃除後下から見る
A1C. 点検中 メインAMP基板
A1D. 点検中 掃除後メインAMP基板
A2A. 点検中 下から見る
A2B. 点検中  ヒートシンクの埃
A2C. 点検中 掃除後のヒートシンク
A2D. 点検中 底板
A2E. 点検中 掃除後底板
A3. 点検中 SP接続リレー比較 左=付いていた接点容量7A=8Ω出力だと392W定格
                       右=交換する接点容量10A=8Ω出力だと800W定格
A4. 点検中 交換するオーディオ用電解コンデンサー
C. 修理状況。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
C1. 後パネルを外し、修理中
C1A. 修理前 SP接続リレー基板
C1B. 修理後 SP接続リレー基板 SP接続リレー3個、電解コンデンサー個12、フイルムコンデンサー2個交換
C1C. 修理前 SP接続リレー基板裏
C1D. 修理(半田補正)後 SP接続リレー基板裏
C1E. 完成SP接続リレー基板裏、 洗浄後、コート液を塗布。
C2A. 修理前 RL初段ドライブAMP基板
C2B. 修理後 RL初段ドライブAMP基板 初段FET(電界効果トランジスター)2個、半固定VR4個、電解コンデンサー12個交換
C2C. 修理前 RL初段ドライブAMP基板裏
C2D. 修理(半田補正)後 RL初段ドライブAMP基板裏
C2E. 完成RL初段ドライブAMP基板裏、 洗浄後、コート液を塗布。
C3A. 修理前 RLプロテクト基板
C3B. 修理後 RLプロテクト基板電解コンデンサー4個交換、高性能のBPを使用したので2個→1個
C3C. 修理前 RLプロテクト基板裏
C3D. 修理(半田補正)後 RLプロテクト基板裏
C3E. 完成RLプロテクト基板裏、 洗浄後、コート液を塗布。
C4A. 修理前 メイン・ドライブAMP基板
C4B. 修理後 メイン・ドライブAMP基板 半固定VR4個、電解コンデンサー10個交換
C4C. 修理前 メイン・ドライブAMP基板裏
C4C1. 修理中 メイン・ドライブAMP基板裏 半田不良
C4C2. 修理後 メイン・ドライブAMP基板裏
C4C3. 修理中 メイン・ドライブAMP基板裏 半田不良予備軍
C4C4. 修理中 メイン・ドライブAMP基板裏 半田不良予備軍2
C4C4. 修理後 メイン・ドライブAMP基板裏
C4D. 修理(半田補正)後 メイン・ドライブAMP基板裏
C4E. 完成メイン・ドライブAMP基板裏、 洗浄後、コート液を塗布。
C5A. 修理前 定電圧基板
C5A1. 修理中 定電圧基板 トルエンを使用した接着剤で腐食したダイオード
C5B. 修理後 定電圧基板 電解コンデンサー18個増量交換
C5B−1. 修理後 定電圧基板 パスコン3個交換
C5C. 修理前 定電圧基板裏
C5C1. 修理前 定電圧基板裏 前回の修理(サンスイのサービスセンターで修理?)で放熱器のネジが止めていない!
C5D. 修理(半田補正)後 定電圧基板裏
C5E. 完成定電圧基板裏、 洗浄後、コート液を塗布。
C6. 前パネルを外し修理中
C6A. 修理前 コントロール基板
C6B. 修理後 コントロール基板 電解コンデンサー14個交換
C6C. 修理前 コントロール基板裏
C6C1. 修理中 コントロール基板裏 半田不良1
C6C2. 修理中 コントロール基板裏 半田不良2
C6D. 修理(半田補正)後 コントロール基板裏
C6E. 完成コントロール基板裏、 洗浄後、コート液を塗布。
C7A. 修理前 ランプ基板裏・モード切替基板裏
C7B. 修理(半田補正)後 ランプ基板裏・モード切替基板裏 ランプ5個交換
C7C. 完成ランプ基板裏・モード切替基板裏、 洗浄後、コート液を塗布。
C7D. 修理前 メインVR基板裏・LED表示基板裏
C7E. 修理(半田補正)後 メインVR基板裏・LED表示基板裏
C7F. 完成メインVR基板裏・LED表示基板裏、 洗浄後、コート液を塗布。
C7G. 修理前 SP切り替え基板裏・ヘッドホーン基板裏
C7H. 修理(半田補正)後 SP切り替え基板裏・ヘッドホーン基板裏
C7I. 完成SP切り替え基板裏・ヘッドホーン基板裏、 洗浄後、コート液を塗布。
C8A. 修理前 EQ基板
C8B. 修理後 EQ基板 初段FET(電界効果トランジスター)4個、半固定VR4個、電解コンデンサー20個交換
C8C. 修理前 EQ基板裏
C8C1. 修理中 EQ基板裏 半田不良け所
C8D. 修理(半田補正)後 EQ基板裏
C8E. 完成EQ基板裏、 洗浄後、コート液を塗布。
C9A. 修理前 SW基板
C9A1. 修理前 SW基板 ヒンジを外すときツメを折り補修した後がある(交換するのがメーカー修理では!)
C9B. 修理前 SW基板裏
C9B−1. 修理中 SW基板裏RCA端子半田 太く重いRCAケーブルを使うので半田不良対策
C9B−2. 修理後 SW基板裏RCA端子半田 半田を十分盛る
C9C. 修理(半田補正)後 SW基板裏
C9D. 完成SW基板裏、 洗浄後、コート液を塗布。
CAA. 修理前 電源基板裏
CAB. 修理(半田補正)後 電源基板裏
                   写真紛失
C9C. 完成電源基板裏、 洗浄後、コート液を塗布。
CBA. 修理中 パネルのモールが取れている。
CBA2. 修理中 パネルのモールが取れている2。
CBB. 修理中 パネルのモール接着中。
CBB2. 修理中 パネルのモール接着中2。
CBC. パネル清掃
CCA. 交換部品
CCB. 交換したリレーの接点
CDA. 修理前 上から
CDB. 修理後 上から
CDC. 修理前 下から
CDD. 修理後 下から
E. 調整・測定。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
E1. 出力/歪み率確認・調整
          MC/MMの歪みが多いのは入出切り替えSW(C9A.SW基板の上の物)が多量の接点復活材の為
    <見方>
     上左オーディオ発振器より400HZ・1KHZの信号を出す(歪み率=約0.005%)
     下中=入力波形(オーディオ発振器のTTLレベル) 下右=周波数計
     上左=SP出力の歪み率測定 左メータ=L出力、右メータ=R出力
     上中=SP出力電圧測定器、赤針=R出力、黒針=L出力
     上右=SP出力波形オシロ 上=R出力、下=L出力(出力電圧測定器の出力)
E2A. R出力39V=190W 歪み率=0.03% 1000HZ AUX入力
E2B. R出力39V=190W 歪み率=0.03% 400HZ AUX入力
E2C. L出力39V=190W 歪み率=0.03% 1000HZ AUX入力
E2D. L出力39V=190W 歪み率=0.03% 400HZ AUX入力
E3A. R出力39V=190W 歪み率=0.03% 1000HZ MM入力
E3B. R出力39V=190W 歪み率=0.03% 400HZ MM入力
E3C. L出力39V=190W 歪み率=0.03% 1000HZ MM入力
E3D. L出力39V=190W 歪み率=0.03% 400HZ MM入力
E4A. R出力39V=190W 歪み率=0.04% 1000HZ MC入力
E4B. R出力39V=190W 歪み率=0.05% 400HZ MC入力
E4C. L出力39V=190W 歪み率=0.04% 1000HZ MC入力
E4D. L出力39V=190W 歪み率=0.05% 400HZ MC入力
E5. 完成、引き続き30分の連続定格実働、24時間エージングに入る。
S. Sansui AU−D907X の仕様(マニアル・カタログより) 
型式 インテグレーテッドDCアンプ AU-D907X
パワーアンプ部 Xバランス・アンプ(Twin Diamond Balanced Drive Amp)方式
実効出力(両ch駆動) 180W+180W(6Ω、10Hz〜20kHz)
160W+160W(8Ω、10Hz〜20kHz)
250W+250W(4Ω、1kHz)
210W+210W(6Ω、1kHz)
180W+180W(8Ω、1kHz)
全高調波歪率 0.003%(8Ω、10Hz〜20kHz、実効出力時)
0.005%(6Ω、10Hz〜20kHz、1/2実効出力時)
混変調歪率(60Hz=7kHz=4=1) 0.003%(8Ω、実効出力時)
出力帯域幅(IHF、両ch動作、THD0.03%) 5Hz〜80kHz
ダンピングファクター(新IHF、20Hz〜20kHz) 100(6Ω)
周波数特性(1W) DC〜300kHz +0 -3dB
エンベロープ歪 測定限界以下
TIM歪(Sawtooth法) 測定限界以下
スルーレイト ±300V/μsec(6Ω)
ライズタイム 0.5μsec
イコライザーアンプ部(Hi-Precisionイコライザー)
入力感度/入力インピーダンス(1kHz) Phono MM=2.5mV/47kΩ
Phono High MC=2.5mV/100Ω
Phono MC Low=100μV/3.2Ω(MCトランス採用)
Phono MC High=300μV/40Ω(MCトランス採用)
CD、Tuner、Tape1、2=150mV/47kΩ
Phono最大許容入力(1kHz、THD 0.01%) MM=300mV
High MC=300mV
MC High=35mV(トランス方式)
出力レベル/インピーダンス Tape rec=150mV/600Ω
RIAA偏差(MM、Rec out) 20Hz〜300kHz ±0.2dB
SN比(Aネットワーク、ショートサーキット) Phono MM=90dB
Phono MC=80dB以上(100μV)
CD、Tuner、Tape=110dB
トーンコントロール Bass最大変化量=±10dB(20Hz)
Treble最大変化量=±10dB(20kHz)
トーンセレクター Bass=100Hz、200Hz
Treble=4kHz、8kHz
サブソニックフィルター 16Hz(-3dB、6dB/oct)
オーディオミューティング -20dB
総合
定格消費電力(電気用品取締法) 370W
外形寸法 幅466x高さ161x奥行431mm
重量 20.5kg
価格 189,000(1984年発売)
                     d907xa811s
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